■ 脚加工
機械加工だけではできないもの。
例えば京脚などがそうです。
形は裾広がりのような、雅な雰囲気の漂う脚。
昔から、座卓や和風旅館で使われていたような食卓に使われていた形です。
ずっと変わらない伝統の形を、昔ながらの加工法で造りつづけ、次の世代に伝えています。
【広がり部分の加工】
脚の元とになる角材を作ります。 平沢では、一番太くて(座卓用)□120mm、 細くて(折り畳みお膳)□60mmです。 その角材を帯鋸版で型で抜いていきます。 型は昔から伝わるもので、違う型のものを加工するたびに、 新しく型を作っていきます。 なので、工房にはたくさんの型がたまっていくことになります。
↓ |
【型】
たくさんたまった型は収納が大変ですが、工房の財産歴史のようなものなので大切なものなのです。
↓ |
【型ぬきのポイント】
角材の加工で、曲線部分までは先に昇降盤で切り目を入れておきます。その際、角材の真中までしか刃を入れないで、上下均等に切り目を入れます。 一回で切り目を入れようとすると、どうしても下部分が切れ過ぎてしまうし、角材の巾まで刃を出すのは危険だからです。
↓
|
【ベルトサンダーで滑らかに】
切った部分はどうしても、ガタつくのでベルトサンダーで滑らかな曲線を出していきます。どれだけ型に忠実に切り抜いても、ベルトサンダーで磨きすぎたら形はくずれてしまいます。 熟練の感と、技で、同じような曲線に仕上げていくのです。
↓ |
【ペーパーで調整】
ベルトサンダーで形を整えた後、細かい微調整はペーパーで磨きます。型と照らし合わせて、形が狂っていないかを確認しながら、 丁寧に磨いていきます。
↓ |
【京脚が完成】
幕板との接合部を横切り、ホゾ取り盤で切り抜いたら、京脚の完成です。 これから、幕板と合わせていきます。
↓ |
【パテ埋め】幕板はあらかじめ、ルーターで加工しておきます。
その際に出来たバリや、ラワン合板による細かい穴は、 漆塗りをするときに邪魔なので、パテで埋めておきます。
↓ |
【組立て】幕板と脚を組み立てます。
↓ |
【矩出し】組み上がったら、一つ一つ矩(直角)が出ているか調べます。
使いやすい大きさのスコヤを作っておいて、専用に使います。
↓ |
【テーブル脚完成】テーブル脚が完成しました。
今回の注文は、京脚折り畳みテーブルなので、テーブルも 別に製作します。 塗り下時なので、白木のままで完成です。
|
ご依頼さえあればどんな足でも作れます。
昔から作っている職人さんがどんどんいなくなってきている現状ですが、
伝えられる部分は伝えていき、残していきたい技術だと思います。