長野県上松技術専門校をご存じですか?
長野県上松技術専門校とは長野県木曽郡上松町にあります、職業訓練学校のことです。
通称「上松技専」と呼ばれています。
我社のスタッフの経歴を見ていただくと、ほとんどの社員がこの訓練校を卒業しているのがわかるかと思います。
どうして我社が上松技専閥のような形になってしまうかと言いますと、
それは立地にあります。
・お互いが、深い木曽谷の中にあり、まるでご近所のように行き来できる距離にあること。
・木曽谷、特に平沢は昔から木工業、特に漆に携わる家業の方が多く、
今も少なくなってきたとはいえ、産地として残っている。
・やはり、木工が好きで、自然が好きで集まった職人たちなので、
「今さら街で働けるかい!!」と居残っている。
・せっかく、木の産地、漆の産地にまで来たのだからもっと深くまで追求したいという欲望。
等々、理由を挙げ出したらきりがないのですが、ここ木曽谷は静かで、自然が深くて、とても魅力的な場所なのです。
さて、上松技専の説明となるのですが、
上松技専は、現代の職人の排出先ともいえる職業訓練校の一つで、
平成25年度現在、木工科と木材造形科の二つの科があります。
・ 木工科 (定員20名) ― 主にフラッシュ加工を学びます。
・ 木材造形科 (定員20名) ― 主に無垢材を使った加工を学びます。他にも地場産業のろくろ・うるしの実習も行います。
もちろん、上松技専を卒業したからといって「即職人です。」と言うわけにはいきません。
卒業してからは、会社や工房などに入って実践での修行となるわけですが、ではなぜ職業訓練校に入るのでしょうか?
理由の一つに、木工業が衰退してきて、昔のように素人が弟子入りして修行するような受け入れ先がなくなってきた背景もあります。
学校で、一通りの木工知識、機械知識、基本技術くらいは習得してから就職、弟子入りと誰もが考えるようになったのかもしれません。
一言で職業訓練校とはいえ、少ないですが木工を教えてくれる訓練校は全国に何か所かあります。
その中でも、長野県上松技術専門校は、立地条件的にわかりにくく、不便な場所にあります。
なぜ、長野県上松技術専門校に来ようと思ったのか、我社の社長にインタビューしてみました。
*「どのように上松技専を知って、来ようと思ったのですか?」
「もともと漆に興味があって、木曽漆芸学院のことを知って来たいと思っていたんです。
調べていくうちに、近くに木工も教えてくれる場所があるというので、先にそこから行こうと思いました。
上松技専を卒業後、働きながら念願の木曽漆芸学院にも通うことができました。」
*「木工、漆を勉強して、漆の産地である木曽平沢で木地屋を生業としている。理想の形ですね!」
*「上松技専に入って一番良かった、魅力だと感じたことはなんですか?」
社長 :
「人とのつながりですね。一年、狭い空間で同じ飯を食って生活し、学ぶので、つながりはより濃いものになります。
卒業してからは、厳しい木工業界に立たされて同じような境遇になるわけですから、気持ちがわかるわけです。
お互いが、協力したり、情報交換したりと今でもつながっています。
例えば、自分の同期だけの関係性だけじゃないですよ。
近場で仕事している社員の同期の職人さんを紹介してもらって、忙しいときとか仕事を手伝ってもらったりもしています。
上松技専でお世話になった先生が、ときどき会社に来てくれて、いろいろ話を聞かせてもらったりね。
本当にご近所のような感覚ですね。
上松技専のつながりというより、仕事のつながりってことになるんでしょうけど・・・。
でも、最初は上松技専から始まっていったんですね。」
*「今の生活、仕事のつながり、すべての原点だというとこですね。なんだか、深イイ話ですね。」
長野県上松技術専門校とのつながり、意義は、社員それぞれに違うものがあるとは思いますが、
やはり、我社にとって一つのルーツだと思います。
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